京都観光 京菓子 社寺ゆかりの菓子

2021.10.30 (土)

京都観光 京菓子 社寺ゆかりの菓子

◎あぶり餅 今宮神社の門前名物です。東門前参道には二軒の茶店があります。長保二年(1000)年創業の一和と、江戸時代から続くかざりやです。あぶり餅は、長さ二十センチほどの竹串に、親指大にちぎった餅を刺し、きな粉をつけて炭火で炙り、溶いた白味噌のたれをつけて食べます。疫病退散を祈願する神事のやすらい祭では、あぶり餅を食べ、無病息災を祈ります。

◎やきもち 上賀茂神社の名物菓子です。餅で小豆のつぶし餡を包み、鉄板で両面をこんがりやいたものです。やきもちは俗称で、神社の神紋にちなんだ葵餅が正式名称です。門前にある神馬堂は明治五年創業です。また葵家やきもち総本舗は、葵の双葉にちなみ、葵餅と双葉餅の二種類のやきもちを作っています。

◎唐板 上御霊神社の名物です。貞観五年(863)、疫病が流行り、悪霊退散のための御霊会が開かれた時、健康を祈る厄除けの煎餅としてふるまわれたのが、唐板の起源です。門前の水田玉雲堂が五百年以上守り伝えています。煎餅の材料は、小麦粉・上白糖・塩・卵です。これらを混ぜてこね、薄く延ばして短冊に切ったものの両面を銅板で焼いた、歯触りの良い菓子です。

◎粟餅 北野天満宮の門前茶屋、粟餅所澤屋の名物菓子です。天和二年(1682)に茶店出したと言われています。粟餅は餡で餅を包んだ餡餅と、餅にきな粉をまぶしたきなこ餅の二種類あります。

◎長五郎餅 天正十五年(1587)、豊臣秀吉に北野大茶湯で賞賛されたのをきっかけに、北野天満宮名物となった餅です。初代の河内屋長五郎の名前にちなみ名付けられました。こし餡を薄い餅皮で包んだ製法は、四百年以上前の創業時と変わりません。

◎みたらし団子 下鴨神社の神饌菓子です。竹串に刺した五つの団子は、初めのひとつから少し間隔をあけて、後の四つが並ぶのが特徴です。糺の森の御手洗池に涌く水の泡を表していると言われています。また人の体を表しているという説もあり、昔から神饌として供えられています。現在、加茂みたらし茶屋の名で親しまれる亀屋粟義で販売されています。

◎鳩餅 三宅八幡宮では鳩が神の使いです。その鳩をかたどった名物菓子です。米粉と上新粉をこねたもので、肉桂や抹茶の風味があります。境内の三宅八幡茶屋で販売されています。

◎狐煎餅 伏見稲荷大社の門前にある総本家いなりやの煎餅です。材料は白味噌・胡麻・小麦粉・砂糖です。水で練った生地をキツネの面の型で焼いたものです。

◎走井餅 岩清水八幡宮の表参道にあるやわた走井餅老舗の菓子です。柔らかい餅にこし餡を包んだものです。もともと大津で江戸時代に創業した茶店で、大津の走井という名水を使い、餡や餅を作ったとのことです。歌川広重の錦絵「東海道五十三次」にも茶店が登場しています。

◎どら焼き 毎月二十一日の東寺の弘法さんの土産です。クレープのような薄い生地にこし餡を包み、竹の皮に包んだ棒状の菓子です。もともと東寺の修行僧のおやつとして考案されたと言います。一般のどら焼きは形状が銅鑼に似ていることから「どら焼き」と呼ばれていますが、これは熟した銅鑼の上で秘伝の皮を焼いたことから名付けられたとのことです。笹屋伊織で毎月二十日~二十二日のみ販売されています。

◎幽霊子育飴 みなとや幽霊子育飴本舗で販売されている飴です。名前の由来は、民間伝承からです。昔この近辺で夜な夜な飴を買いに来る女性がいて、身重のまま死んだ人が死後出産し、幽霊となって赤子になめさせる飴を買いに来ていたとの言い伝えがあります。麦芽糖の風味が特徴です。

◎松風 織田信長が一向一揆制圧のため、石山本願寺を攻めた際に、寺内で兵糧が不足しました。この時、亀屋陸奥の当主が小麦粉を練って麦芽糖と白味噌を混ぜて焼いた菓子を考案し、これを兵糧として顕如以下門徒達は戦い抜いたと言われています。のちに顕如が当時を思い出し、「わすれては波のおとかとおもうなり枕に近き庭の松風」と詠んだ歌にちなんで松風と呼ばれるようになりました。江戸時代以来、西本願寺の御用菓子で、現在も門前に店を構えています。茶の湯では、釜のたぎる音を松風と呼び、故人を偲ぶ茶会などでもよく用いられます。

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