京都観光 京料理 行事と京料理
京都観光 行事と京料理 一月~六月

一月 元日、大方の家では丸餅の白味噌雑煮(丸子餅・かしらいも・小芋・雑煮大根)で祝います。一年丸く人と争わないとの願いと、家長は出席して人の頭になるようにとの願いをこめ、かしらいもを食べます。ごまめ・たたきごぼう・数の子は、お節料理の中でも特に重要な「三種」と呼ばれ、それぞれの生活姿勢や人生の夢を託して食されます。三が日箸をつけない「にらみ鯛」も京都特有の習慣です。
一月四日 鏡開きで水菜や壬生菜の雑煮 七日 七草粥 十五日 小豆粥 二十日 骨正月 鰤や鮭のアラで大根を食べます。
二月 節分には塩いわしを食します。初午の日は、初午大祭の行われる伏見大社ゆかりの秦氏を偲び、畑菜の辛子和えを食卓に載せます。辛子は同社に仕える狐の好物とされています。
三月 雛祭りの節句料理は、赤貝ととり貝のてっぱい(辛子酢味噌和え)、ばら寿司と蜆や蛤などの貝料理、姫鰈などを食します。かつて鰈は生で供して家への土産としました。この古習は廃れましたが、結婚式の折詰同様に、家族への慶びのお裾分けを意味します。
五月 端午の節句に決まった料理はありませんが、鯛の兜焼きを食する家もあります。氏神の祭礼の日、氏子の家では親戚や知人に鯖寿司を配ります。
京都観光 行事と京料理 七月~十二月

七月 鯖寿司は祇園祭の祭料理でもありますが、鱧寿司を食す人も増えました。落としや吸い物や酢の物など、鱧祭の異名の如く、鱧づくしで祭りを祝います。土用の丑の日には、鰻を食します。
八月 お盆は、お精霊さんと同じ精進料理を家族も食べるのが建前ですが、現在では、刺身などの生臭物も御法度ではなくなってきています。
九月 名月は芋名月にちなみ、小芋など芋料理を食します。
十月のえびす講は「笹に小判」という豪勢な名の行事食がありますが、実際には笹に見立てた青葱と小判型はんぺいの質素な汁物です。
十二月 冬至の日 中風除けとして、おかぼ(南瓜)の「炊いたん」を食べます。冬至の日には、「ん」の二つつくものを七品食べます。なんきん(南瓜)・にんじん・れんこん・ぎんなん・きんかん・かんてん・うどん(うんどん)。人は運・根・鈍の三拍子が揃って初めて出席できるという言い伝えがあります。
京都観光 行事と京料理 毎月決まった日の食事

その他、行事とは別に、一日のなます、鰊昆布(万事始末してがめつく)・八の日の荒布と揚げ・十五日の小豆ごはん(家中がまめに暮らせるように)・末日のおからや、暦との関連で巳寿司・寅蒟蒻・卯豆腐などの安価な旬の素材を駆使して献立を決めます。メニューを考えずにすむ合理精神とも取れますが、神仏や先祖への崇敬を、血となり肉とならしめて伝えようとする精神の表れかもしれません。
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