京都観光 おすすめ 京都の建築 町屋建築 Traditional town houses in kyoto
京都観光 おすすめポイント 京都の町屋建築の特徴 Traditional town houses in kyoto

町屋とは一般的には通りに面して、隣家と接して立ち並ぶ建築物です。京都には平安時代から庶民の家屋として存在していました。当時から京都の町屋は屋根の棟を通りに平行に構える「平入形式」です。地方によっては、棟を通りに直角に構える妻入り形式の町屋もあります。また京都の町屋は外壁に柱を見せる「真壁造り」で、火事を防ぐため土壁で外壁を覆う土蔵造りは発展しませんでした。内部には「通り庭」とよばれる土間が表から裏庭に続き、おくどさん(カマド)もそこに設けられます。おくどさんの上部は防火と煙を上に逃がすために天井は張らず吹き抜けにしますが、この高い空間を「火袋」とよびます。町屋の裏には離れ座敷か蔵があるケースが多く見られます。店を通り側に独立して建てたものを「表屋造」といいます。
京町家は、短冊形式地の間口寸法の狭さから「ウナギの寝床」と称されています。町家には「瓦屋根」、屋根に魔除けの「鍾馗(しょうき)さん」、土塗の中二階の格子状の「虫籠窓(むしこまど)」、家屋の中ほどに設けられた小さな庭の「坪庭」、表通りから店舗棟、玄関棟、住居棟を」一直線につなぐ土間の「通り庭・走り庭」、紅穀の千本格子の「京格子」、それを取り囲む人馬の進入を防ぐ「駒寄」、町屋の格子窓や板塀の下部を竹で囲って家屋を泥はねから守る「犬矢来」、表に向かって長く伸びた「通り庇」、さらに商屋の間口の寄り付きに張り付いた上げ下げ式の「バッタリ床几」(揚見世)などの風情溢れる意匠や佇まいなどがあります。
京都観光 おすすめポイント 京都の町屋建築の変遷 Traditional town houses in kyoto

平安時代から室町時代までは、京都の町家は石や丸太の重しを載せた板葺屋根で簡素な造りでした。戦国時代が終わり戦火の憂いがなくなると急速に発展を遂げました。江戸時代には二階建ての街並みも出現し格子の形にもさまざまな意匠がみられるようになりました。江戸時代中期からは、新しく珍しい形を作り出すより意匠の洗練度が重視されるようになりました。江戸時代末期の禁門の変(蛤御門の変)で京都の町屋の大半が焼失してしまいました。その後明治時代に街並みが復興しました。江戸時代までの町屋は二階の背が低く、主として一階が住居に用いられました。明治時代末ごろから一般に背の高い二階建ての家屋が建てられはじめ、二階にも居室が設けられるようになりました。伝統的建造物保存地区に指定されている、祇園新橋などのお茶屋建築では客室を二階に設けたため、背の高い二階建ての家屋となっています。
私の母方の実家は祇園にあったのですが、まさに町屋建築そのものでした。私の現在の実家も一部町屋建築の名残を残しています。昔の風情が段々と失われつつあり残念ですが、街や建築は後世に残すべきものだと思います。皆様も是非一度訪れてその価値を肌で感じてみて下さい。
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