京都観光 おすすめ 京都の庭園 室町時代~江戸時代

2019.09.20 (金)

京都観光 おすすめポイント 京都の庭園 書院造庭園

室町時代から江戸時代初期にかけて成立した武家の邸宅は、平安時代の「寝殿造」に対して「書院造」とよばれます。接客・対面の儀礼の場である「書院」から鑑賞する形式の庭園を「書院造庭園」とよびます。

庭園は池庭であることもあれば、枯山水であることもあり、また露地(茶庭)の意匠が用いられることまあります。二条城二の丸庭園は池庭ですが、ここには二つの書院が面しています。東側に建つ「大広間」とよばれる書院座敷から眺めた時には、徳川将軍家の社会的権威を誇示するような力強い迫力ある石組があります。一方北側に建つ「黒書院」とよばれる書院座敷から眺めた時には穏やかで風流を楽しむ意匠を見ることができます。

鶴亀の庭で有名な南禅寺の塔頭の金地院は枯山水様式です。この庭園は三代将軍徳川家光の御成(公式訪問)を想定して作庭されていて、背後に東照宮を仰ぎ蓬莱山の石組に鶴亀の意匠を添えるという構成から、庵主である以心崇伝の将軍家に対する忠誠心が伺えます。このように書院造庭園では、接客や対面の目的に応じてさまざまな意匠の庭園が生み出されました。

京都観光 おすすめポイント 京都の庭園 露地(茶庭)

室町時代末期には、簡素を旨とする草庵が文化人の間で流行し、侘茶(わびちゃ)が生まれました。侘茶(わびちゃ)のための空間として生み出された庭園は露地(茶庭)とよばれます。露地には「市中の山居」という都市にありながら山中にあるかのような場所が求められました。千利休は露地を「浮世の外の道」と呼びました。浮世である書院建築から離れ都市にありながら山里の趣を醸し出す露地を歩んで茶室に至り、主人と客は一服の茶を介して心と心の交流をはたします。

京都には茶道の家元が多く存在し、表千家庭園・裏千家庭園・武者小路千家庭園・薮内家燕南庭園などが代表的な露地です。茶の湯を介して自然と深く関わり合うこの非日常の空間は、人間の精神を深く追及する場でした。この傾向は近世以降の町屋の坪庭にも継承されてゆきます。

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