インバウンド 文化 体験 能

2019.05.27 (月)

インバウンド 文化 体験 能 歴史 

インバウンド観光客の方の中には日本文化に造詣の深い方が少なからずいらっしゃって、私なんかより格段に知識とか知見をお持ちの方がいらっしゃます。知ったかぶりしてもどうせバレるので知らないことは知らないとお伝えしますが、日本人として恥ずかしいと思うのと同時にもっと勉強しなければいけないと思います。先日通訳案内士団体の主催する「能研修」に参加してきました。能について少し紹介させていただきます。

能の原型ができたのは今から約600年前の室町時代中期です。足利3代将軍義満のサポートを受けた観阿弥・世阿弥親子がそれまでの「猿楽」にいろいろな芸能の要素を加え芸術性の高い芸能に進化させました。農耕儀礼の田楽と神事芸能の猿楽の両方の長所をとりいれ融合させ進化させてことは観阿弥の功績です。大衆文化から貴人文化に移行し、ストーリーを持つ演劇形態の芸能に昇華させました。観阿弥の息子である世阿弥は観阿弥の偉業を受け継ぎ、作者・演出家・役者であるとともに「風姿花伝」等の著述家であるマルチタレントで後の茶道や歌舞伎の隆盛に大きな影響を与えた600年前のイノベーターです。能は謡と舞と囃子の3つからなる芸能で、劇の展開にあわせそれぞれの要素が組み合わせられます。日本のミュージカルとか日本のオペラと呼ばれる所以です。オペラやミュージカルと対比させることでインバウンド観光客の方にも理解が得られやすいかと思います。

インバウンド 文化 体験 能 特色

能の特色について少しお話します。①能面は着用する人を、超自然物を含めて別の存在へと変身させます。化身である前シテと本体の後シテの変身をみるのは楽しみです。②能のテーマは人間の普遍的な内面描写です。禅仏教的な死生観である滅びと再生がメインテーマです。③能面は角度によって表情が異なって見えるように作られています。西洋ではマスクというと仮面舞踏会で使われているように基本的には着用する人の顔を隠すためのものです。

私の住んでいる横浜市にも能楽堂があります。先日近くに行く用事があったので寄ってみたら舞台の無料見学をさせてもらえました。市川海老蔵が「源氏物語」で能役者とコラボしたり、坂東玉三郎が能的要素の強い踊りを披露したりと能が身近になってきている気がします。日本の伝統芸能のすばらしさを伝えていければ良いなと思います。

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