お寺に泊まろう 仏教体験がインバウンドの目玉に 世界遺産 高野山 宿坊体験 Pilgrim`s Lodging in Mount Koya
高野山 宿坊体験のすすめ なぜ宿坊?Pilgrim`s Lodging in Mount Koya
日本ならではの宿泊体験を求めてインバウンド観光客のあいだで宿坊体験がひそかなブームになっているそうです。欧米系のホテルチェーンも多数進出し、富裕層向けの五つ星ホテルの進出の記事を毎日の様に目にする昨今、なぜ宿坊やお寺や禅道場に泊まる人が増え続けるのでしょうか?畳の部屋、床の間、襖、障子、ふとん、日本式お風呂、ゆかた、和食等は日本旅館に泊まれば経験できるはずです。宿坊は都会の便利な環境と異なり、wifiが設置されていなかったり外国語対応が十分でなかったりと泊まることを躊躇してしまう要素が多いのにも関わらず泊まりたいというインバウンド観光客の方があとを絶たないのが現状です。その理由を私なりに考えたのですが、宿坊のもつ神秘性そのものと訪問する観光地との一体感と異次元、異空間での体験にその理由が存在するのではないかと思います。

世界遺産である高野山は「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」でわざわざ訪れる価値のある場所として三ツ星を獲得。浮世とまったく違う時間の流れていて神秘的と絶賛されています。交通の便は決して良いとはいえませんが、標高が高くなるにつれて神秘的な世界が迫ってくるという期待感であふれてきます。高野山は弘法大師によって開かれた真言密教の修行道場で高野山真言宗の総本山です。標高900メートルの盆地に100以上の塔頭寺院が立ち並び、その半数以上が宿坊を兼ねています。
高野山 宿坊体験のすすめ 高野山のみどころ Pilgrim`s Lodging Mount Koya
高野山の主な観光スポットは、年中行事のほとんどが今でも執り行われる根本中道、5万坪の広大な敷地に多くの建造物と著名な美術作品を有する金剛峯寺、樹齢何百年もの老杉が2キロメートルにもわたってそびえたつ奥の院、と見どころ満載です。中でも奥の院は木々の間に豊臣秀吉や織田信長の有名な戦国武将から庶民に至るまで20万基を越える墓標が並んでいて壮観です。自分自身や家族の墓の存在が日本人ほど濃厚でないインバウンド観光客の方に対してこのあたりの日本人の感覚を説明してあげると良いのではないかと思います。

弘法大師入定のあと、弟子たちは足もとに玉川の清流が流れるこの地に廟を建てました。御廟では今でも弘法大師空海が修行を続けているという言い伝えもあります。弘法大師の鼓動が聞こえてくる様な厳粛な気持ちになります。大師信仰の聖地として多くの人が訪れるこの地で改めて高野山信仰の篤さに圧倒されてしまいます。夜になって燈篭の灯りをたよりに御廟に参拝にでかけます。夜の静けさに対し、言葉にならない畏敬の念を抱くことができます。こういった精神性に触れるためには夜の奥の院を訪ねる必要があり、宿坊に泊まることが必然的となります。
インバウンド観光客の方に宿坊に泊まっていただき、非日常を感じることで日本がいにしえより育んできた精神を感じてもらえれば幸いだと思います。
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